課長が私に恋してる?


一度家に帰った如月が、琴子の家のインターホンを鳴らしたのは夜7時前のこと。
手に持っていた大きすぎるカバンは、これからの未来を予想させるには十分すぎるものだった。



『課長』



『どした』



『これじゃあ半同棲じゃないですかー!』



気付いたら如月の巧妙な罠に引っかかっていた現実にうわあああああと声にならない叫びを上げる。



『大丈夫だ。水道光熱費は折半で』



『そういう問題じゃなーい!』



そうして完全に流された状態のまま、気付いたら如月の鮮やかなつみれ作りに圧倒されてそのまま鍋をつついていた。現在ここ。



「……で?結局ソフレって何なんだ?」



「………添い寝フレンドだそうです」



ぼそぼそと口に出した琴子に、如月も目を見開いた。



「へえ。わりと世間的にはアリなんだな」



「上司部下っていう立場的にはナシだしアウトっぽくないですか」



琴子の反論は華麗にスルーされてこの日の夕飯は〆のうどんと共に幕を閉じた。


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