課長が私に恋してる?


少しだけ考えて、琴子はポンと手を叩いた。



「じゃあ、酔いが醒めるまで私ここにいます」



そしてストンと隣に腰掛ける。



「醒めたら一緒に飲み会戻りましょう。私もできるだけ如月さんが新しい後輩の顔見れるように協力しますから」



ちらりと首から下がっていた名札に目を落として、初めて彼の名を呼んだ。にこりと微笑むと、如月は一瞬驚いたような顔をした後、少しだけ照れくさいような、しかし不甲斐ない自分を恥じるような、なんとも言えない表情をした。



「申し訳ない…」



「いいえ。……えっと、じゃあまず私の顔でも覚えてみますか?」



そして悪戯っぽく笑う。



「後輩、第1号ですよ」



そう言うと如月は再度驚いたように目を見開いたのだった。



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