課長が私に恋してる?
(どうか琴子の課長のイメージをこれ以上壊さないで下さい!割とすでに私の中では課長は壊れかけてますが!)
じっと課長を見つめていると、ゆっくりと彼は振り向いた。
視線が絡む。
西日は彼の端正な顔を酷く陰影をつけて浮き上がらせる。
「………阿呆か、お前は」
そうして彼は先ほどまでの仏頂面のままそう口にする。
予想通りの言葉、想像してた通りの顔。
ああ、嫉妬じゃなかった、とホッとする。
ホッとしたのは、この人に好かれるという事実を受け止める余裕が無いからだ。
その琴子のあからさまに安堵している表情に如月は何を思ったのか。
さらに眉間にシワを寄せたかと思うと、一歩琴子に近付いてコツンとおでことおでこをくっ付けた。
「!!……っき、かちょ…!?」
如月も課長もどちらの単語もまともに言えずに琴子は首を動かせばすぐに触れてしまう距離にいる如月に瞠目する。
なんだ。何が起きた。