課長が私に恋してる?
「今日の予定は?」
よく漬けられたきゅうりをポリポリと噛み砕きながら、課長の質問もゆっくりと咀嚼する。
「うーーん、まだ決めてないですけど、時間もあるのでプラネタリウムでも観に行こうかと思ってました。リニューアルしたらしいので」
「そう言えば、寝室にもあるんだったけな、プラネタリウム」
「安いやつですけどね、プラネタリウム投影機。たしか3000円くらいの。好きなんですよね、星」
「プラネタリウムとか、小学生の時以来行ってないな。特に行きたいとも思わないが」
「最近の、すごいですよ。目に見えないくらい小さい星まで投影されてるらしいです。まあ見えないんですけど」
「それ、意味なくないか」
「ロマンですよ、ロマン」
「ほー…」
「いま絶対ちょっと馬鹿にしましたよね、課長。……課長は、今日のご予定は」
「奇遇だな、俺もプラネタリウムに行こうと思っていた」
「…………一緒に来たいなら素直にそう言ったらどうですか」
「………最近、お前俺に対して偉そうじゃないか」
「………」
逆に琴子が責められそうになったため慌てて視線を逸らした。
危ない危ない。