課長が私に恋してる?
興味ないひとだとつらいかもですよ、と再三言ったにも関わらず、如月課長がついてくることになった。
ここでオシャレするのはなんだか癪に触るので、会社に着て行くよりは少しカジュアルなパンツスタイルで家を出る。
歩き始めると、まるで初めて課長を家に連れてきたときのように、彼は琴子の後ろをちょこちょことついてきた。
どうやら初めての場所に行くとき、如月は隣ではなく後ろを歩くようだ。
(全然デートっぽくなくて安心したわ……)
親ガモについてくる子ガモの図といっても良いくらいだ。
それか妹に付き添う兄の図。
「ぷっ……」
「どうした」
「い、いえ………子ガモ………」
ぷくく、と尚も笑う琴子に何かを勘付いたらしい如月は不機嫌そうに琴子の隣を歩き始めたのだった。