いちご
私達は、それぞれお菓子のお皿の回りに座った。

「じゃあ…作戦会議を始めるよ」

カナが凜とした表情で言っている中ユイと悠は、お菓子を夢中で食べていた。

「ゆっユイ…悠…」

私は、ちょっと苦笑いを浮かべながら2人を見た。

「もぉ!!せっかく麻里の為に集まったのに……彼氏がこれじゃあねぇ…」

カナがハァっとため息をついた時ユイの体がピクリと反応した。
お菓子を食べる手を止めてゆっくりとカナの方に顔を向けた。

「麻里の……彼氏?」

信じられないような目で私を一瞬見た後カナをまた見た。

「そっ…そうだけど…聞いて無かったっけ?」

「………ううん聞いてない。」

ユイは、作ったような笑顔を浮かべアハハと笑った。
その表情は、どこか無理しているようで悲しそうだった。

あっと言う間にまた私達の空気は、気まずくなってしまった。

「だけど…あの時…俺の彼女って…」

「麻里を守る為の作戦でやってるのかと思ったから……」
< 126 / 175 >

この作品をシェア

pagetop