いちご
私は、ハッと現実に戻った。

「美穂見たから……思い出しちゃったじゃん…」

今でも美穂を見れば絶対に悲しくなる心…
傷は、癒えて無かった。

だけど今ここにこうして元気で居られるのは、ユイとカナのお蔭だな…ともちゃんと思った。

中1の時セミロング程度だった髪も今じゃちゃんとしたロングヘアー

時が経ったのを1番表しているのは、きっと髪…

私は、風に靡く髪をちょっと触りながら考えた。

だけどそんな空気は、直ぐに壊される

「ちょっとー顔貸しなさいよー」
「ブスー♪」

先輩や後輩達がみるみるうちに寄って来る…。

ユイは、机からは、動かないけどこっちをちらちら見てるのは、私にも解った。

「聞いてんの!?」
「返事しろよっ!このブスっ」

先輩の1人が私の髪を掴んで強引に先輩の方を顔を向かせようとする…

―――離せっ…

私は、声には、出さないが自分なりに相手に抵抗した。
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