いちご
「麻里…ちょっとここで待ってろよ」

そう言って悠は、私から離れた。
悠の目線は、私を連れて来た男達…。

制服は、一緒だけど見た事の無いちゃらそうな顔に私は、先輩と言う印象を覚えた。

今、目の前で悠がやろうとしてる事は、喧嘩だって私にでも解った。

だけど私に酷い事をしようとした男達を悠が懲らしめてくれるのが嬉しくって…
私は、悠を止めなかった。

悠に言われた通り私は、太陽の日差しが差し込むドアの近くでぽつんと1人立っている。

勿論視線は、悠に向けていた。
だけど私がした甘い考えに私は、すぐ後悔する事となった。

「てめぇら…殺す……」

悠が言った低くとても怖い声に私は、ビクリと体を反応させた…。

今から悠がやる事は、喧嘩じゃ無い……


―――本気で死ぬまでやるつもりなんだ…


私は、初めて悠がやろうとしている恐ろしい事を理解した。
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