いちご
「まって!麻里っ……」

ユイは、大声で私に叫ぶが当の私は、そんな声聞こえない……

今は、悠の事しか頭に無かった。

悠が危ない

それしか頭に浮かばなかった。

私は、どこに居るかも解らない悠を必死に探した。

人が居る事なんて気にしない私は、ただ走りながら大声で悠の名を叫んだ。

「悠っ悠っ…悠どこっ!?」

周りは、何事かと私を見るだけどそんなのどうでもいい私は、悠をとにかく見つけたかった。

「あっ……」

私は、足が縺れ床に転んでしまった。

「痛っ………」

転んでも
どんなに痛くても

頭に浮かぶのは、
悠の顔
悠の声
だけだった。

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