いちご
私は、我に帰った様に冷静になった。

「もう…本当心配かけるんだから……。」

「……本当…ごめん…」
半分呆れ顔のカナに私は、必死で謝った。

よく考えればこの状況は、ユイの時と一緒だった。

カナになんの相談もせず一人で仮病を使って今日を抜け出しユイを探した……。

あの時もカナは、やっぱり私に気付いて絶対に追い掛けて来てくれた。

いつも優しくて
いつも頼りになって

いつもカナは、私の一歩前に居た。

そんなカナに頼りにばっかりしてる私が何だか惨めでしょうがなかった。

だけど………
何故かとっても暖かい気持ちになった。
 
それは、カナの暖かくて強い気持ちが痛いほど感じられたから……。
 
カナがとても大切だと思えたから
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