いちご
「な…なんで美穂が力を貸してくれるの?」

私は、振り向かずに聞いた。

嬉しいはずなのに

まだ美穂の方に振り向けない。


それは、あの悲し過ぎる別れのせい?

それとも私が美穂を信じて居ないから?


どんなに自分に問いかけても答えは、返ってこない。

解ってる…

私の疑問が解ける前に美穂から声が帰って来た。

「悪いと思ってるから…」

"悪い"?
悪いと思ってるの?

だって美穂は、そんなそぶり…一度も…。

「だって美穂は…私の事…」

どんどん私の目からは、涙が溢れ出る。

だけどまだ振り向けないままだった。

「私…怖かったの…アイツらに逆らってハブられるのが…
 だから…麻里と…絶交し…たの……」

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