いちご
「麻里…ちょっと来て……」

ユイの声は、さっきの甲高い声とは、一変
沈んだ静かな声だった。

私は、そのままユイに引きずられるように廊下に出て
また図書室に向かった。



「麻里…さっき何にも無いって言ったよね?」

「うん……」

「好きじゃ無いって言ったよね?」

「…うっ……うん…」


私は、怖いと言う恐怖と戦いながら一生懸命質問に答えた。


「じゃあさ!!何で悠君は、麻里とメールしてるからってメアド教えないの!?」

ユイは、完全に怒っていた。

「知ってる!?悠君てココに転校して来てから1人にしかメアド教えて無いんだって!」

ユイは、大声で私に言った。

「その1人が麻里でしょ!?嘘ついたんだ!!何にも無いなんて…嘘だったんでしょ!?」

私の頬からは、自然と涙が流れた。

ぐさぐさと突き刺さった言葉が…

心の血となって…

涙として流れた…
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