いちご
私は、見事に悠に騙された。

私の事を心配してくれている…

それが嬉しかった。


だけど……

ユイの私を睨む顔が浮かんで来る……


私は、悠の胸から逃れた。

「……ごめん…」

私は、下を向いた。

いったい悠は、今どんな顔をしているだろう

私も悠が好きなのに…

ユイをまた裏切るのが怖くて…

悠を受け入れられなかった。


「麻里……」

カナは、心配そうに私を見た。

「ねぇ…場所を取りあえず変えない?ここ…教室だし…」

カナが私を見ながら照れ臭そうに言った。


―――あっ!!


私も我に返った。
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