足音
彼女は、クラスの中心に立つような子だった、
彼女の周りはいつも笑いに満ちていて。
同姓からも異性からも好かれるタイプだった。
先生からも、困ったやつめ的な要素で愛されている。
当然、打ち上げのカラオケでも常にセンター。
明らかに場違いな俺は、ちびちびとジュースを飲むだけだった。
帰りに、彼女とたまたま帰りに一緒になった。
ただ、それだけ。
『南はあーゆーの嫌い?』
『嫌い』
『雰囲気が嫌いそうだもんね、打ち上げとか』
『慣れないから』
『ハハ』
『加世は?』
『ん?私も嫌いだよ』
『意外、好きかと思ってた』
『あー…私、結構嫌いなの。あーゆーきゃいきゃいしたの、なんか怖くて』
『…』
意外、だった。本当に。
中心に立つ彼女は常に明るいから。
中心の空気の眩しさが怖いなんて、意外すぎた。
同時に、親近感。
ああ彼女もそうなのか。