四葉のクローバーの秘め事
「小中学校もお前の言う高校時代と同じ…いや、両親が亡くなるより前かららしい。入学時、既にその関係は確立していたんだと。」



我黏から報告される薙晶の数々の横暴は、主従関係というよりはイジメに近かった。


浅雛をパシリの様に顎で使い、時には暴行をはたらくこともあった。



その様子は、浅雛の言う通り奴隷そのものだ。



「周りは勿論、蝓兵も郁榎も、それについては何も言えなかったようです。清憲の圧力が相当怖かったようで。」



いまだに口が重い浅雛の同級生や蝓兵の同僚に話を聞いた厠餉乘が感じたのは、何十年経っても続く恐怖に怯える姿だった。



「見て見ぬ振り…我が身可愛さだけど、当事者にとっては大問題ね…」



假躍も納得は到底出来るものではないが、理解は出来る。



「浅雛は今でも、薙晶に呼び出されていたみたいです。提出してもらった薙晶の携帯に履歴がかなりありましたし、呼び出す先はいつも高級ホテルだったようで、度々目撃もされていました。」



「全く、嫌な感じのお嬢様だぜ。」



完全なる恐怖による支配。


冷宝一家は、かなり裏表が激しかった。
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