四葉のクローバーの秘め事
「そういえば、清憲はどうして浅雛の居場所が分かったんですか?止められてはいたようですけど、何だか迷うことなく向かって来た感じがしましたけど。」



「言われてみれば…」



我黏の疑問に、仇夂も同意見だ。



確かに疑問である。



…忘れていた訳でない。

決して忘れていた訳でない。

(大切な事なので2回言った。)



警視庁内に入るには、入口にいる受付を通さなければならない。


セキュリティの関係上、これは一般的な企業と同じだ。



テロや占拠の可能性も考慮し、一般の人が立ち入り禁止の区域も存在する。

重大な資料もある各部屋の配置を、いくら清憲でも部外者扱いになり、知ることは出来ない。


刑事部の部屋なら尚更だ。



「清憲の剣幕が凄かったらしくてね。上司を呼びに行った子が戻る前に、対応していた子が口を滑らせてしまったらしいわ。」



警察官としてはあるまじきことで勿論お叱りを受けたらしい。

しかし、それと同時に慰めもされたらしい。



誰が対応しようとあの剣幕では、お気の毒様としか言い様がないのが明白だったのだろう。
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