四葉のクローバーの秘め事
家に帰った浅雛は夕御飯を食べ一息つく。



『あれはいくらなんでもやりすぎだろ。』




『放っておけなくて。』



『俺が守ってやるから。』





『………きなんだ。』



「はぁ……―――」



昔のことを思い出すのは、小鳥遊の顔があの時と同じだったからだろうか。



正義感が強いのか何度も薙晶に歯向かい、突き放しても傍に来る。



その行為が薙晶の怒りを買うと言っても構わずに止めなかったので、仕方なく在学中は出来る限り避け続けた。


そして小鳥遊から居場所を隠すかの様に、薙晶以外には知らせず警察の寮に入った。



持ち前の正義感の強さからか小鳥遊も警察官を目指したようで、今回移動によって出会ったのは本当に偶然だった。



再会してから何度か話をしたが、詮索されたくないこと・薙晶達に今の現状を知られたくないことを理由に2人きりの時以外は他人のフリをして欲しいと小鳥遊に頼んだ。


浅雛が寮で一人暮らしだと聞き、薙晶と一緒にいる理由の一つに生活面での金銭問題があった為、縁が切れたのだと思った小鳥遊はそれを了承したのだ。
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