四葉のクローバーの秘め事
「会社のガサ入れ、あんまり収穫なかったんですよ。これが無かったらむちゃくちゃヤバかったです。」



厠餉乘と小鳥遊が冷宝邸にいる同時刻、假躍の指揮の下仇夂と我黏は冷宝グループ関連会社のガサ入れを行っていた。



朔渕が犯した罪が、事細かに記されているこの資料。



いくら資料という物的証拠があるとはいえ、朔渕の自白がなければ逃げられる可能性もあった。


かなり危ない綱渡りだったといえる。



そしてこの資料、我黏の手元にあるものも、小鳥遊が清憲達に見せたものもコピーである。


では、この重要すぎる証拠の出所は何処だったのか。



「浅雛、貴女を信じてガサ入れと逮捕状を請求したけど、一体どういうこと?」


「私を信じてくれたことは感謝します。けど、それは言えません。」



提供したのは浅雛だ。


事件から7日目の朝、部屋に入ってきたと思ったら資料を見せ假躍に言ったのだ。


犯人は朔渕でこれが証拠だと。
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