四葉のクローバーの秘め事
背中合わせ
今から遡ること20年、浅雛聖と冷宝薙晶が8歳になったばかりのこと。
「聖ちゃん、何してるの?」
「薙晶ちゃん。これあげる。」
父親の働く工場の隅っこでしゃがみ込んでいた聖が、話し掛けた薙晶に差し出したもの。
「四葉のクローバーだ!くれるの?」
「うん!お花には花言葉があってね、四葉のクローバーは幸せなんだって。」
「ほんと?嬉しい。ありがとう!大切にするね。」
偶然見た本に載っていた花言葉。
意味を知った聖は、それを薙晶にあげたかった。
だから、雑草がたくさん生えている工場の周りを念入りに探していたのだ。
「どう?可愛いでしょ。」
「わぁ。可愛い。」
数日後、薙晶が聖に見せたのは、丁寧に押し花にされ栞になった四葉のクローバー。
薄いピンク色の台紙に赤い紐を付けた、なんとも可愛らしい栞。
貰ったあの日からこの四葉のクローバーは、薙晶の宝物となった。
「聖ちゃん、何してるの?」
「薙晶ちゃん。これあげる。」
父親の働く工場の隅っこでしゃがみ込んでいた聖が、話し掛けた薙晶に差し出したもの。
「四葉のクローバーだ!くれるの?」
「うん!お花には花言葉があってね、四葉のクローバーは幸せなんだって。」
「ほんと?嬉しい。ありがとう!大切にするね。」
偶然見た本に載っていた花言葉。
意味を知った聖は、それを薙晶にあげたかった。
だから、雑草がたくさん生えている工場の周りを念入りに探していたのだ。
「どう?可愛いでしょ。」
「わぁ。可愛い。」
数日後、薙晶が聖に見せたのは、丁寧に押し花にされ栞になった四葉のクローバー。
薄いピンク色の台紙に赤い紐を付けた、なんとも可愛らしい栞。
貰ったあの日からこの四葉のクローバーは、薙晶の宝物となった。