ラブ・ロボット

パーティ会場はゴージャスなホテルの最上階で、夜景がとても綺麗だった。


クリスマスイブにこんな場所で、恋人と夜景を楽しんだらさぞかし幸せなんだろう。


廊下までもが、どこもかしこもキラキラのピカピカだ。
何だか場違いと言うか。
みすぼらしい私がスポットライトをあてられて笑われているような錯覚にさえ陥ってきた。
とにかくこのホテルから出てしまいたい。
半ば叩くようにエレベーターのボタンを押した。








「坂口さま!」







ふいに後ろから呼び止められたのは、まさにエレベーターが到着しようとした時だった。
振り向くとそこにはスーツ姿の、白髪混じりの小柄な男がにこにこして立っていた。
歳は50を過ぎたあたりだろうか。
口ひげをたくわえ、高級そうなピカピカの時計をしている。


何だかお金持ちそうな人だけど・・・。
パーティの関係者かな?



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