壁ドンってステキッ!
壁ドンってステキッ!
「今日もかっこよかったな~」


テレビ局に勤めて半年、私山田美月(23)は今日もアイドルに癒されながら仕事をしていた。


アイドルマニアの私にとって、この仕事は天国。


どんなに怒られても、一瞬でもアイドルの顔が見れたら嫌な気分は吹き飛んでしまう。


さっきもお気に入りのアイドルの顔が見れて、気分はルンルン。


「山田さーん!」


「はい!」


先輩に呼ばれて急いで行くと、この段ボールを倉庫に持っていってと言われた。


それほど重くない段ボールを抱え、地下にある倉庫に向かう。


「やっぱりこっちは静かだな~」


テレビ番組を撮影するフロアから、ほとんど社員しか入らないフロアに入り足を進める。


「ん?足音?」


それなのに、自分のものではない足音がして歩くのをやめた。


バタバタと走ってくる音が、こっちに近づいてくる。


こんなところでも走らなきゃいけないいけないなんて、テレビ局に勤めてる人は大変だななんて、自分もその一人なのにどこか他人事のように思いながら、また歩き出した。
< 1 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop