壁ドンってステキッ!
「キャッ!」


「ごめん、ちょっと付き合って」


「えっ?えっ?」


そういわれるが否や、壁にドンと背中をつけられる。


そして瑠偉が壁に片手をつき、私に覆いかぶさるように体を近づけてきた。


「壁ドン……」


ポツリとつぶやいた言葉に、瑠偉がクスッと笑う。


「もう少し付き合ってね」


瑠偉の綺麗な指が、私の唇に触れる。


そしてまるでキスをするかのように、顔が近づいた。


「瑠偉……」


「もうちょっと待って。あの足音がどこかに行くまで」


「たく、瑠偉ってばいったいどこに行ったのよ」


さっきも聞こえた女の人の声と足音が、こっちに近づいてくる。


その声の方に顔を向けると、綺麗な女の人がキョロキョロと周りを見回していた。
< 4 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop