告白前の失恋【完結】
「おっ、水着いいね。宮島に有芽ちゃん」
「うわー二人とも私たちより細いんじゃない?嫌味」
「有芽、私も思った」
「何だよ、それ。二人とも細いし」
呆れた様に笑う努。
弘も笑っていて、さっきまでの嫌な空気がどっか行ってて安心した。
「さって、泳ぐか」
「うん、行こう」
「あ、宮島、滑るから気を付けてな?」
そう言うと、弘がさりげなく私の横に並ぶ。
それにドキっとした。
「松本、私にそう言う優しい言葉は?」
「は!?」
「ほら、危ないからおいで、有芽!みたいなさ」
「あはは、アホか」
「ひっどい!ま、いいや、とりあえず松本、行こうよ」
「え?」
そう言ってから、有芽は強引に努の腕を取ると先に歩いて行く。