告白前の失恋【完結】


「待ってって」

「遅い、宮島」

「仕方ないじゃん」

「ホラ」



弘が私の手を取ると、引っ張る。
それに釣られて、私も泳ぐ。



「違う、ばしゃばしゃやっても早く進まないんだって。
こう、魚のイメージ」

「わかんないし、魚って」

「だよな」

「あはは、だよなって」

「ま、泳げなくても俺が泳げるからいんじゃね?」

「何それ」

「ん?男らしさアピール」

「あはは、アピールになってない!」

「うっそ」


それからも、私達は暫く笑い合ってはしゃいでいた。
楽しい時間が経つのはあっという間。
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