告白前の失恋【完結】

「うん、俺も自然な感じの方が好き」

「うっわー、だから男はナチュラルメイクの小悪魔に騙されるんだよ！」

「なんだよ、その小悪魔って」

「まんまですー、騙された人がここに一人」


有芽は努を見ながら、唇を尖らせながらそう言う。
ウッとしながら、努は反論。


「いや、わかんねえだろ、普通は」

「女から見たらわかるもんなのー。ねえ、祐美子？」

「えっ！？いや、私全然わからなかった…」

「うっそ、祐美子噂とか知らなかったの？」


だって、事実。
私はあのシーンを目の当たりにするまでは、本当に梨々子は努を好きなんだと思ってたし。


後から知った話だけど、梨々子の本命はあの彼で、他にも何人か股をかけてたとか。
それを聞いて、だから弘を好きだって言ってたのにすぐに努と付き合えたのかって妙に納得した。