告白前の失恋【完結】
だけど

「しょうがないな、聞いてあげる」

なんて、胸の苦しさを隠しながら言う私。


お人好しにもホドがある。


「去年さ、同じクラスだったじゃん。
めちゃ可愛いーとな思って、一目惚れ。
で、いつも緊張して話せなくて」


まあ、なんて。
私の前だとこう、流暢に話せるのだろうか。


要は全く意識していないってことだよね、これは。



「いつ、祐美子に言おうか悩んでたんだよ。
祐美子なら絶対協力してくれるって思ってさ。
ほら、優しいじゃん。祐美子」


頬杖ついて、私を見ながらにっこりと微笑む努。

そんな努にキュンとしてしまう。



「まあ、協力して…あげなくもないけど」

そう、私が濁すと努は訝しげな顔をする。
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