告白前の失恋【完結】
「わかったよ、ほら。俺も祐美子の相談乗るからさ。
それでおあいこ。
どう?よくね?」


だなんて、かなり見当違いのことを言う努。


ああ、もう。
好きなのはあんたなのに。



「ダメ、祐美子ー?」


猫撫で声を出しながら、努は首を傾げた。
これを無意識、本能でやってるからこの男は恐ろしい。



「……わかった、いいよ」


渋々、私がそう言うと努は顔をぱあっと輝かせた。



「ありがとう、祐美子!俺、やっぱ祐美子大好きだっ!」

「調子いいよ、努は」





だって、その大好きは…………友達として、でしょ?
< 6 / 174 >

この作品をシェア

pagetop