告白前の失恋【完結】
嘘
翌日、憂鬱な気持ちで教室に入る。
そこに、努の姿はなかった。
約束してるわけじゃないけど、いつも努は家の前にいたから。
今日いなかったから、先に行ってるのかと思ってた。
窓際の自分の席に座ると、ぼーっとグラウンドを眺める。
梨々子も私も弘も、部活をやっていない。
帰宅部。
バイトをしてたり、してなかったり。
今私はバイトをしていない。
「あはは、だよね」
廊下から努の声がした。
ハッとしながら、私は入り口に目を向ける。
だけど、すぐに聞こえた声。