告白前の失恋【完結】
「面白い、松本君って」
それは梨々子のモノだった。
「あれ?早いな、祐美子!」
「祐美子、おはよー」
入り口に立つと、努は私に気付き声をかけてくる。
その後ろからひょこっと顔を出して、梨々子も一緒に笑顔を向けた。
「お、おはよー」
「それじゃ、またね。松本君」
「おう」
梨々子は満面の笑みで努に手を振ると、自分の教室へと歩いて行く。
その姿を名残惜しそうに見つめる努。
……なんて、顔して見てるの。