告白前の失恋【完結】
「あ、そういえばメール」
私はカバンにずっと放置してた携帯を取り出すと、メールを確認する。
弘からのメール。
そこには。
【断られると思ってた。だから、嬉しい。いくらでも待つ。】
そう書いてあった。
やっぱり、私は弘と付き合った方がいいのかもしれない。
別に弘の事、嫌いじゃないし。
寧ろ、好きだし。
優しいし、一緒にいて楽しいし。
「……付き合う事には大いに賛成だけどさ。
松本を諦める為に付き合うのだけはやめなよ」
「……うん」
「そっか。それならいいんだ。ごめんね、色々」
「ううん、有芽ありがと」
「うん」
二人して顔を見合わせると、ふふって微笑み合った。