告白前の失恋【完結】
「本当はあの四人で出掛けた時に、努に告白する予定だった。
だけど、出来なかった。
努と梨々子が付き合ってたから」
「……」
「言うつもりなかった。
けど、梨々子が他の人といる姿を見て、抑え切れなかった。
弘は私が努を好きだって事知ってる」
「……まじかよ」
「うん」
努は両手を口に添えると、言葉を失ってる様だった。
私も何も言わずに、努の言葉を待つ。
「じゃあ、弘に無理矢理言わせようとしたのも、逆効果だったわけ?」
「……」
それには何も言えず、私は口を噤む。