告白前の失恋【完結】


「ごめん…」

「……ううん」

「…俺、遠田と別れるよ」

「え?」


耳元で囁く様に言った言葉。
それは思ってもない言葉で、私は目をぱちぱちとさせる。


「俺が好きならいっかって思ってたけど、ダメだな。
親友にも気を遣わせて」

「……」


努はそっと、私の肩に手をかけると距離を開ける。
少しだけ赤くなった目で努は微笑んだ。

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