愛シテル。
「嘘……っ」
あの人も……
あの人も、お兄ちゃんが……?
「ダメだな……。あんな汚らわしい奴らを殺した包丁で、海羽を刺す訳にいかない」
そう言って、刃に付いた血痕を拭き取るお兄ちゃん。
「海羽は可愛いから、これからもきっと色々な男が寄ってくるはずだ。
そうなれば、俺はまた、人を殺す。
海羽は……今、俺を怖がってる。
俺にとって、海羽に怖がられることは、死ぬより辛いことだ……だから。
海羽……。
一緒に、消えよう……?」