愛シテル。
私には、仲良くしてる幼なじみがいた。
瀬川明良(あきら)。同級生。
何でも言い合える、唯一の男友達。
ある日、この明良のことで、お兄ちゃんと喧嘩になった。
きっかけは、お兄ちゃんの言葉。
「お前、ちょっと明良と一緒に居すぎじゃないか?」
「そうかな……でも、明良は唯一の男友達だし、幼なじみだからさ……」
そう答えると、
「でも、ちょっとベタベタしすぎだ。
俺、見たんだよ?学校の帰りに」
お兄ちゃん、見てたんだ……。
実は前にもあった。男の子と帰ってるところを、お兄ちゃんが見てた、ってことが。
「お兄ちゃん…もしかして妬いてる?」
聞くと、お兄ちゃんは照れて、
「ごめん。実はちょっと妬いた」と言った。
そんなお兄ちゃんが愛しくて、抱きつくと、耳元でお兄ちゃんの声。
「ごめん…俺、海羽のこと好きすぎてつい…。
でも、できればあんまし男と帰って欲しくないな」
お兄ちゃんの腕の中で、私は答える。
「……わかった。でも明良はいいでしょ?
別にあいつとは何にもないからさ……」
「……俺より、明良の方が好き?」