Dream
1~強制連行!?~








「じゃ、また明日なー」



担任のやる気のない帰りのホームルームを終え、私は鞄に荷物を詰め始める。




「柏木(かしわぎ)さん」



声をかけられ、内心驚きながらも振り向く。



「な、何でしょう…」



自分でもオイッ!って突っ込みたくなるほどの挙動不審さ。

手も無意識のうちに震えているし。

はぁ…。

この引っ込み思案さ、何とかならないかな?



「柏木さんさ、放課後暇?」

「ほ、放課後、ですか…?」

「うん。
この後皆でカラオケ行くんだけど、柏木さんもどぉ?」



カラオケ、ですと!?

極度の音痴の私をカラオケへ誘うですと!?

あなた、頭の中大丈夫ですか?

まぁこの人と私、あんまり関わったことないからなぁ。

私が極度の音痴ってこと、知らないんだろうなぁ。




「…良い、デス。結構…デス」



日本語覚えたての外国人みたいな対応。

…あぁ、完全に引かれた。







< 1 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop