Dream
しかしだが。
…最悪なことが起こった。
ユメに俺が川で少年がおぼれた事件に関わっていることがバレてしまっていた。
きっと、藤崎マドカが教えたんだ。
…何しているんだよ……。
絶対ユメにはバレてほしくなかったのに…。
俺は素直に認めた。
俺は犯人じゃないと言ったところで、ユメが信じるとも思えない。
…言い訳するだけ無駄だと思った。
ユメは泣きながら保健室を出て行った。
俺の目にも、薄っすら涙が溜まっていた。
「…馬鹿ねぇ、本当のこと言えば良いのに」
「先生に言われたくないですよ。
先生だって最初は、俺のこと疑ったじゃないですか」
「最初は誰もが疑うわよ。
でも、最初から抵抗することを諦めてはいけないわ」
「…そんなの、無駄だってわかっていますから」
何回もソレを信じ、俺は実行してきた。
でも誰も信じてくれなかった。
仲の良かった友達でさえも、当時付き合っていた彼女でさえも。
両親も最初は信じてくれはしなかったけど、それは警察が「違う」と言ってくれたので、信じてはくれているけど。
きっと誰も俺のことなんて信じない。
…信じてもらおうとするその努力は、無駄だ。