Dream






「ユメには夢はあるの?」

「私は…小説家になりたい。けど…」

「けど?」



私は前から思い続けていたことを、告白することにした。



「私、小説家の夢…諦めようと思う」

「え?」



今、私は高校2年生。

今はまだ“小説家になりたい”と言う夢を持ち続けて良いと思うけど。

高校3年生になったら、そうも行かない。

周りは現実味のあるような夢を持つだろうし、先生たちも“小説家”なんてほんの一握りの人しか掴めないような夢を、応援してくれるはずがない。

今のうちにスッパリ諦め、サイトも退会しようと思っていたのだ。



…やばい。

未練がましいらしく、私の心の中では、諦めきれないらしい。

いつの間にか強く握ってしまっていたスマホの画面に、ポタポタと涙がこぼれ落ちていく。



諦めたくない。

でも諦めなくちゃいけない。

もっと現実味のある夢を持たなくちゃいけない。



でも本当は…







「小説家なんて向いていないのかな…?」




その夢ばかり追い続けたいんだ。










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