Dream
変だね…。
矛盾しているよ。
でも…諦めなくちゃいけないのに、諦めたくないんだ。
「…そう簡単に、諦めるなよ」
え?
「ユメは、まだ小説家としての道があるじゃん。
だから、そう簡単には諦めないでほしい。
確かに狭き門だと思う。
でも、そこで諦めるほど、ユメの夢に対する思いは軽くない。
夢って文字が入っているんだから。
諦めないで、出来るところまで追い続けちゃ駄目なのかな?」
桐野くん…。
「…まぁ、最終的にはユメが決めるわけだし。
ユメが後悔しないって言えるのなら、諦めれば良い。
少しでも諦めたくないって思えるのなら、突き進めばいい。
反対する人の方が絶対多いよ。
でも、ユメが決めた道ならば、いつか了解してくれるはず。
俺は、ユメに諦めないでほしい」
桐野くんは、いつもに増して真剣な顔をしていた。
「…桐野くん?
何でそこまで…応援してくれるの?」
「…さぁ?
何でだろうね?
ユメの小説、読んだからじゃない?」
え?
読んだの!?