Dream
ガラッ
図書室の扉が開く音。
私は小走りで入口へ向かった。
桐野くんかもしれない!
今日は遅刻しただけだよ。
…そう、きっと遅刻しただけ……!
「柏木?
何しているんだ、こんな所で」
図書室に入ってきたのは、担任だった。
「…本を、読みに、来たんです」
「そうか。
ただ、もう帰ろ。
もうすぐで下校時刻だからな」
「…はい」
下校時刻…もうそんな時間なんだ。
桐野くん、結局現れなかったな。
明日には…会えるかな?
でも…。
桐野くんって、本当に不思議な人…。
友達が出来ない私の元へ、
友達の作り方を教えてくれたみたい…。