Dream







「うちの学校の演劇部は弱くてな。
でも桐野が入部してからと言うものの、県や全国出場への常連校になり、優勝もして。
有名な芸能事務所からスカウトも何度もあったんだ」



先生が言った芸能事務所は、芸能関係に疎い私でも知っているような、有名な所ばかりだった。

桐野くん凄いんだ!!



「この図書室にも演劇関係の本が沢山あってな。
桐野は部活がない日でも毎日図書室に通っては、演劇関係の本を読み漁っていたんだ」



あの演劇関係の本がそうかな?




でも…。

何故そんなに演劇が大好きだった天才が、今は学校へ通わず、演劇をしていたことさえも隠したんだろうか?




「今は…?」



思い切って聞いてみた。








「…アイツ、大事なコンクールの前に、突然声が出なくなったんだ」






え?

どういうこと?



声が出なくなった!?

そんなの…役者としては一大事じゃない!!







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