Dream
外に出ると、もう空はオレンジ色に染まっていた。
私は急いで、成宮総合病院へ向かう。
ここら辺で大きな病院だから、場所は知っている。
どういう気持ちだったんだろう?
私が小説家の夢を諦めると言った時。
桐野くんだって、役者への道を諦めたくなかったはずだ。
それなのに、声が出なくなったから、その夢への道は閉ざされた。
自分で願ったわけじゃないのに。
それなのに!
私は何もないのに、諦めるって。
もっと頑張ろうって気持ちがなかった。
最初から無理だって、自分で壁を作って。
感想も誹謗中傷ばかりだって諦めて。
桐野くんは、
どんな気持ちで私の話を聞いていたのだろう?
きっと凄くイラッとしたと思う。
頑張るって気持ちの足らなさで、夢を諦めようとする私が!
いくらでも挑戦できる私が!
自分はもう、
夢を追いかけることさえも出来ないのに!!