Dream
2~強制デート~
「…ここ……」
来たのは、地元に最近出来た、大きなショッピングモール。
クラスの子は沢山来るらしいけど、私には縁がない場所で。
来たのは初めてだ。
「ユメは来たことあるの?」
「ないよ!」
「俺もないんだよね。
だから1度来てみたかったんだぁ」
まるで子どものようにはしゃぐ桐野くん。
「ほら、行こ!」
グイッと引かれる手。
しかもその手は、繋がれている。
って、えええぇぇぇぇええ!?
何でカレカノでもない私たちが、手を繋いでいるわけ!?
「き、桐野くんっ!」
「ん?何?」
「な、何でっ、て、手っ!!」
「テンパりすぎ。
何言っているかわかんない」
「な、何で手を繋ぐの!?
私たち、カレカノじゃないんだよ?
第一私、桐野くんのこと、あんまり知らないし!」
名前と年齢ぐらい?
それ以外は知らないし。