Dream







「そっかぁ~…わかった。
また今度行こうね」



カラオケでなければ、オッケーしたんですけどねぇ。



「ほらみなよ。
柏木さん、誰がいくら何に誘ってもノらないじゃない」

「確かにそうだったね~…」

「ほら行こ!」



私をカラオケへと誘った子は、仲が良いこと私のことを話し、楽しそうに教室を出て行った。




はぁ…。

私は心の中で溜息を吐いた。




引っ込み思案、上がり症、口下手。

コミュニケーション能力に欠けまくりの私は、つい5日前にこの学校へ転入してきた。

でも、5日も経つのに友達なんて出来ない始末。



クラスメイトの子は物珍しかったのか、私に沢山話しかけてきてくれた。

でも、私のコミュニケーション能力の欠け具合に、皆は次第に飽きてしまった。

今ではああいう類の誘いがたま~~~に来るだけ。

大抵、私の苦手なカラオケやショッピングや、美味しそうなカフェ巡りなので、断ってしまう。



歌は極度の音痴だし、洋服になんて興味ないし、カフェなどまさにコミュニケーション能力が必要不可欠な場所は苦手。

私が誘われて行く場所は、図書館とかネットカフェとか…。

あんまり話す必要はないし。



そんな普通の女子高校生とはかけ離れたであろう遊び場所を好む私は、放課後遊ぶということをしたことがない。

本当は普通の女子高校生みたいな放課後に、憧れているんだけどね。





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