Dream
「はぁっ!?
ユメ、お前俺のこと、そんな風に見ていたのか!?」
「だって普通の男子が、いきなり女子をデートに誘うわけないでしょ?」
「だからって女好きだとか言うなよっ…」
あは、慌ててる慌ててる。
慌てている桐野くんが面白くて、私は更にからかう。
私って意外にもS?
「その茶髪とかさ、前髪だけオールバックとかさ。
いかにもチャラそうじゃない?」
「か、髪の毛は地毛だし!
オールバックでチャラ男とか、この世のオールバックの男子全員に謝れよ!」
「何で前髪だけなの?」
スルーすると、桐野くんは唇を尖らせた。
案外可愛い仕草である。
「…邪魔だから」
「邪魔?」
「うん。
前見るのに邪魔だから」
へぇ…。
邪魔なほど長いのか?
「ねぇ、下ろした姿見せてよ」
「はぁっ!?」
「静かにしなよ~」
誰もいないとはいえ、ここは図書室。
ギャアギャア騒いで良いものではない。