Dream






はぁ、帰ろうかな。

特に遊ぶ友達はいないし。

家に帰って、小説でも読もうかな?



両親が共働きで1人っ子の私は、鍵っ子だ。

そのため鞄の中にいれてある鍵を取り出すことに。




「…んっ?」



誰もいなくなった放課後の教室に、私の声だけ空しく響く。




「…嘘でしょ?」



鞄の中にあるチャック付きのいれ場所にはいっていたであろう鍵が、ない。

落としたってことはないから、多分家に忘れてきたんだ。



「…うぅ、私の馬鹿ぁ」



どうしよう。

家に帰れない。

柏木夢子(ゆめこ)、絶体絶命ではないけど、大ピンチです。




この近くには、私が好む図書館やネットカフェはない。

そのため、時間を潰せそうな場所は、外にはない。



どうしよう…。

時間を潰せそうな場所…潰せそうな場所……。




「あ、あった!」



そうだ、ここは学校だ!

若者の活字離れが心配されている現在、絶対に学校には存在している場所!







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