Dream







「……」

「ユメ?」

「…あ、ゴメン。何?」

「どうしたんだボーッとして」



ボーッとしていたわけではない。

髪を上げる桐野くんが、綺麗だったんだ。

それに見とれてしまったんだ。

…絶対、口が裂けても言わないけどねっ。



「な、何でもないよっ」

「…そうか?なら良いんだが。
何かあったら言えよ?
相談に乗るからな」

「ありがと」



桐野くん、優しいなぁ…。

何でこんなに優しいんだろう?





『ピロリロリン♪』




良い空気をぶち壊す、私のスマホの音。

今ほどこの音を恨むことはないだろうな。



てかこの音は…。



小説投稿サイト『クローバー』に投稿している私の小説【Dream】に感想が来た時鳴るように設定してある音だ!

私はクエスチョンマークを浮かべている桐野くんの視線を浴びながら、メールを開く。











< 31 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop