Dream
4~大切なトモダチだから~
☆☆☆
あの日から1週間。
私が放課後図書室へ行くことがなくなった。
桐野くんにも会っていない。
舞耶たちは、自分たちで桐野くんの正体を掴もうと、学年を全て探した。
桐野くんは初めて出会った時、桐野くんは私に年を聞いた。
私が高2の17歳だと伝えると、桐野くんは「俺と同い年」だと言った。
だから舞耶たちは、2学年の全クラスに行き、“桐野大貴”を探したらしいが、どこのクラスにも“桐野大貴”は存在しないし、誰も“桐野大貴”を知らなかった。
そのため全学年を探したらしいけど。
「いなかったよ」
「…何でミナまでぇ~…」
「3年にも1年にも、“桐野大貴”はいませんでした」
文句を言いながらも、ミナは調べてくれたらしい。
ミナは男嫌いだがアイドル級の美少女のため、どこへ行っても誰かしら男子には話しかけられるらしい。
それを嫌がらず笑顔で対応するから、ストレスがたまるんだよと、舞耶も香枝も口を揃えて言っていた。
「いないって…。
他校ってことなのかな……?」
ならどうやって、このセキュリティが厳しい私たちに学校に入れるのだろうか?
まさか、セキュリティが厳しくなったきっかけを作った、泥棒が桐野くん?
…いやいや、あり得ない。
ネットをいじるのが好きだとは言うけれど。
ハッキングまではさすがに出来ないだろう。