Dream
「どうして…?」
「ユメ…」
「ならどうして、私に友達を作るアドバイスをくれたの!?
どうして私と毎日図書室で会うの!?
この別館は、用がなければ誰も立ち寄らない。
ましてや図書室は、1日に使われないことだって多々ある。
それなのに私たちは毎回会う!
そんなの可笑しいよ!
桐野くんのこと、調べてみたけど、どの学年にもいないし、どのクラスにもいない!
いつも私服だし!
この学校はセキュリティが厳しいから、別の学校の生徒が自由に出入りできるとは思えない!
桐野くん。
あなたは…何者なの?
何故、
私の前に現れるの……?」
いつの間にか、私は涙を流していた。
何でかわからない。
でも涙は止まることを知らず、頬を流れ落ちて行く。
「…ユメ……」
でも彼は寂しそうな笑みを浮かべたまま、そっと私の名前を呟くだけで、何も言おうとはしなかった。
「…の」
「え?」
もう、止まらない。
止める方法が、わからない。
「好きなの…桐野くんが……」