Dream
6~寂しそうな笑み~
やめたかった、と言いながらも。
私は毎日図書室へ通っていた。
本を借りるだけではない。
…桐野くんに会うため。
例え桐野くんに失恋しても。
桐野くんとは今でも友達だと、信じていたかったから。
でもアレ以来。
桐野くんに会うことはなくなった。
図書室へ行けば、毎日会えたのに。
桐野くんが顔を見せることはなくなった。
桐野くんがいつも入ったとき顔を見せる本棚を探しても、誰もいない。
名前を呼んでも、誰も返事しない。
そんな空しく、寂しい気持ちが嫌になって。
私も最近は図書室へ通わなくなった。
図書室へ通わなくなり、私は毎日の放課後、舞耶たちと出掛けることが多くなった。
舞耶たちは3人とも部活へははいっていなくて、用事がない時以外は、3人で出掛けると言うので、私も誘ってもらった。
桐野くんに会えなくなったのは寂しいけど。
舞耶たちと遊ぶのも楽しいと思い始めている自分がいた。