Dream







何も答えないでいると、藤崎くんは慌てながら早口で言い始める。




「も、もうすぐ妹の誕生日でさ…。
男に妹への誕生日プレゼントを決めてほしいなんて言っても、わからないだろうし。
でも柏木さんは女子だから、わかるかなって…」



妹さんへのプレゼントかぁ!

妹思いなんだなぁ。

モテるわけだわ。納得納得。




「わ、私で良ければ…」

「本当に?ありがとう!
じゃあ行こうか!!」



藤崎くんは私の手を掴み、日誌も持ち、教室を出て行く。





てか、手!手!!

何で手ぇ繋ぐの!

桐野くんといい、藤崎くんといい…。

男子は手を繋ぐものなのかい?




「藤崎くんっ…手っ……!」

「ん?
あぁごめん。
柏木さん妹に似ているからさ。
妹、手を繋いでおかないと、すぐにどこか行っちゃうんだ」



…妹に似ているって……。

これ、地味に失礼じゃないかい?



まぁ…良いか。



別に私…

付き合っている彼氏もいないし……?







< 49 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop