Dream
何も答えないでいると、藤崎くんは慌てながら早口で言い始める。
「も、もうすぐ妹の誕生日でさ…。
男に妹への誕生日プレゼントを決めてほしいなんて言っても、わからないだろうし。
でも柏木さんは女子だから、わかるかなって…」
妹さんへのプレゼントかぁ!
妹思いなんだなぁ。
モテるわけだわ。納得納得。
「わ、私で良ければ…」
「本当に?ありがとう!
じゃあ行こうか!!」
藤崎くんは私の手を掴み、日誌も持ち、教室を出て行く。
てか、手!手!!
何で手ぇ繋ぐの!
桐野くんといい、藤崎くんといい…。
男子は手を繋ぐものなのかい?
「藤崎くんっ…手っ……!」
「ん?
あぁごめん。
柏木さん妹に似ているからさ。
妹、手を繋いでおかないと、すぐにどこか行っちゃうんだ」
…妹に似ているって……。
これ、地味に失礼じゃないかい?
まぁ…良いか。
別に私…
付き合っている彼氏もいないし……?